Himaraya

 登山関係のwebで話題になっているこの記録:
  竹内洋岳氏ら3名のチームによるネパールヒマラヤShisha Pangmaの南壁登攀から北への縦走。

ExplorersWeb.comに掲載された記事(part 1 &2)に詳しい。
http://www.mounteverest.net/story/ShishaPangmaDebriefRalf,GerlindeandHirotakasAlpinestyletraverse,part1May112005.shtml

http://www.mounteverest.net/story/ShishaPangmaDebriefRalf,GerlindeandHirotakasAlpinestyletraverse,part2May132005.shtml


 これは偉大は登攀だ。


Shisha Pangmaは最初にヒマラヤ8000m峰の中で初期に(始めて?)登られた山だ。北面は緩やかで軽量な装備でのパーティーで数多く登られている。しかしその南面は険しく切り立った岩壁で人を寄せ付けない。


 23年前の春、私はトレッカーとしてShisha Pangma南壁のベースキャンプにいた。トレッキングルート終点のGokyoでShisha Pangma南壁登攀中の日本パーティーがいると聞き、尋ねに登って来たのだ。雲に隠れた南壁は下部が時折見えるのみ。労働者山岳会の大パーティーだったのだがBCに残っている人と話を交わしたが口調は重くすでに敗退ムードが漂っていた。壁は巨大で、山頂は彼方だ。案の定この登山隊は撤退したと後になって聞いた。犠牲者がいなかったのが幸いだ。


 それ以来この壁はあまり人気があったとは聞いておらず成功例も耳にしない。


 今回竹内氏はドイツ人とオーストリア人のパーティーに加わって3名で南壁登攀と山頂への縦走、北面への下山を6日間で成し遂げ手中国側に抜け、更に4日かけてネパール側のBCへ帰還した。


 サポートなしで、技術的に困難な岩壁を登り、高度障害に耐えて長距離の山嶺を超えて山頂に達し、更に無事に下山する。


 それが国内マスコミはいっさい知らず、クライマーのwebと口コミでのみその業績が伝わる。登山本来の静かな行動スタイルで巨大な目標を落とした事に感嘆。竹内氏らのパーティーは現在Everestに転進し、北面のルートをトライ中だそうだ。これも成功すれば更に偉大な成果になる。無事の生還を祈りつつ見守りたい。