オルセー美術館展

 行ってきた。日経の読者向けの懸賞で招待券が当たったのだった。内容は充実。良い作品は多かったが自分的に気に入ったのを挙げてみる。>http://www.orsay3.com/art/index.html

ギュスターヴ・モロー「ガラテア」

 何とも微細な描き方で遠くから見ても、近くで見ても、右からでも左からでも、見れば見るだけ発見がある。このテクスチャーは写真では再現不可能。この先品を見るなり7才くらいの子供が「すごいー」と感心していた。私も同感。なんで人肌があんなに白く見えるのか、魔法みたい。

ジョルジョ・ラコンブ「ベッドの木枠」

 この作家が実際に使用した寝台のためにデザインしたものらしく、誕生から死までのモチーフが彫られている。しかしまあこんなところで寝たらどんなものが夢に現れるのやら・・・。

ジャン=フランソワ・ミレー「グレヴィルの教会」

 構図をよく見ると左から右へ展開させている。作家が画の中にリズムを持たせるために道の傾斜、雲のかたち、人の目線などに気を配ったことが理解できる。良い風景画は良い写真作品につながるようだ。

 作品はとても良かったのだがこの展覧会が行われている神戸市博物館には問題が多い。古い建物だからなのだが部屋から部屋への動線がうまくつながらず人がうまく流れない。また絶対的にスペースが少なく、とても混雑してしまう。本当はもっと遠くから離れてじっくり見たい作品も多いのだがそういうわけにも行かない。大型の作品展はやはり近くの兵庫県立美術館でやってもらった方が観客にとっては鑑賞しやすい。神戸市博物館の場所は元町近くで絶好のロケーションなのでもっと小規模の作品展を頻繁に出来るように兵庫県と神戸市で調整してくれるのが望ましい。