姫路市立美術館

駅に掲示されていた印象的なポスターに惹かれて行ってきた。

シュルレアリスム展−謎をめぐる不思議な旅:展覧会紹介:美術館連絡協議会:YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 予想を超えて素晴らしい展示会。シュールレアリスムの解説は丁寧でその時代の熱狂的な空気を十分感じさせる。だが正直言って解説文が論理だっているとは言えない。しかしそんな細かいことはともかくシュールレアリスムを標榜する一群のアーティストたちが生み出した作品はとても強烈な力を持って迫ってくる。マグリット、ダリ、ミロ、マン・レイピカソなどの作品が丁寧に整理されて展示されている。資料を見ると日本各地の地方の美術館が連携して作品を集めて、各地を巡回しているそうだ。この共同展示に参加している地方美術館とローカルな美術館だけで国立や海外の美術は含まれていない。地方の美術館は経営的にも苦しいところは少なくないはずだ。しかし優れた企画力でとても魅力的な展示が可能なことを示したことは大きな収穫だろう。しかしとても残念な事はここ姫路が最終地、それもあと1週間。これは是非とも見る価値あり。
 収蔵品カタログもとても凝った装丁で思わず買ってしまいました。写真を見ながら作品の印象を反芻するのも楽しいです。

気に入った作品メモ(ごく一部):マグリットのジョルジェット、現実の感覚、白紙委任状、ピカソの赤い枕で眠る女、マン・レイのレイヨグラフ、ポーリ・デヴォーのこだま、立てる女、ダリの三角形の時間、ミロの巻物、メレット・オッペイハイムの鳥の足のテーブル・・・・

 残念だったのは目玉の「現実の感覚」(ポスターに使われている巨岩が中空に浮いた絵)の照明が明るすぎ、ガラス面に反射して見にくいことだ。またスペースの都合なのか一部に入れ替えがあり見損なった作品がいくつかあった。
 この美術館はとてもすてきな赤煉瓦で優れた作品にふさわしい場所だ。今後も魅力的な企画があることを期待する。
> http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/setubi/index.html

 姫路城の隣に立つ美術館。

 お城の前では大学生のジャズ演奏が行われていた。