- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2007/12/07
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私がおぼろげに記憶している昭和の風景が描かれている。最新の特急列車こだま、立派な自家用車、都会の雑踏。そして私が知る由もなかったダンスホールの狂騒ぶり、麻薬窟とそこにたむろする中毒患者。日本語に加えて英語、中国語、ハングルなどの看板が乱立して魔都の様相を示す東京の風景も猥雑だ。
役者陣は見事。特に刑事役の仲代達矢。そして犯人の青年は終盤までその素顔を表さない。彼が台詞を吐くのは最後に出てくる刑務所の面会室で死刑囚として重役の三船敏郎に向かって一方的な恨み言を述べる場面のみ。しかしそれだけで迫力満点。若き日の山崎努であった。
*1:破産して落ちぶれている