すべてのロックファンが観るべき素晴らしい映画．
ミックジャガーは1943年生まれ．しかし65の爺と思っては大間違い．ステージを所狭しと駆け回ってすごい迫力．大半はアップテンポの曲でドライブしっぱなし．
ゲストに登場したバディ ガイが凄い。最初のギターは控えめで枯れた演奏かと思いきや、ボーカルの第一声の力強さで度肝を抜かれた。女性ボーカルのミックはさすがに高音域が足りないのでクリスチーナアギレラが入った演奏は良かった．
このコンサートはビル・クリントン主催のチャリティーコンサートとして行われたもので開演前に政治家や外交官などセレブが続々登場してストーンズのメンバーと記念撮影．ヒラリーのお母さんまでミックとハグしていた．逮捕歴も多いこの連中と政治家が握手するのもおかしなものだがクリントンはアニー・リーボウィッツにヒラリーが出演したりで麻薬との関係が深いアーティストと進んで手を結んでいる．漫画を読むことを公言する首相が非難される我が国とは違って米国民の政治家にたいするおおらかさを表している*1．
開演直前まで曲目が決まらずスコセッシ監督がやきもきするシーンが冒頭に現れる．ミュージシャンとしては会場の雰囲気や当日の気分をみて演目を決めたいのだろう．これは講演直前までPCでスライドの差し替えをする科学者にも似ている．最後までフリーハンドを握って映画クルーに支配されせたくないんだろう．
演奏中の映像はカメラが観客席の中にはいり、舞台直下で立ち上がって興奮している観客の後ろからメンバーを狙う．立ち上がる観客や、携帯で写真を撮ろうとするたがカメラを遮るのが却って臨場感を高める．
メンバーに腹が出ているものは一人もいない．すべてやせてたくましい．若い頃のミックがインタビューが挿入される．６０才になっても演奏しているかと聞かれ、即座に自信たっぷりにイエスと答える．メンバーに腹が出ているものは一人もいない．すべてやせてたくましい．彼らはステージで倒れるまで演奏し続けるのだろう．終演後に映画館のスタッフと話していたらリピーターキャンペーンをするのだそうだ．また朝の開演前に地元のミュージシャンの演奏を入れていた．今朝はアカペラでクリスマスソングだったのがちょっと物足りなかったが音楽イベントとカップルさせて観客を立ち上がらせるような企画をやりたいと若いスタッフと話していた．
年長者には勇気を、若者には力を与えてくれる一本．
追記 １２／１２（金） 日経夕刊で中条省平も紹介していた．★★★★
*1:仕事さえすれば、の話だが
