天安門

 5月初旬の北京出張で訪れた天安門.広大な広場に中国人を主とした観光客が集まる.ちょうど夕方で国旗を降ろす儀式を待つために大勢の人々がカメラを持って待ち構えていた.のどかな雰囲気で緊張感を感じることはできない.

 人民軍の制服をきた兵士があちこちに立っているが、多くがあどけない表情の若い兵士だった.毛沢東記念館の前で彼らの姿を入れて写真を撮っていると、二名の兵士が歩み寄ってきて話しかけてくる.どうやら兵士の姿は撮影禁止らしい.彼らの目の前でその写真を削除し放免となる.このやり取りの間もそれほど険悪な雰囲気は感じなかった.中国人を含む大勢の観光客もやっていたので兵士の写真撮影は珍しいことではなく、たまに定時の行進のそばにいた私が注意されたのだと思う.


 中国人にとって天安門事件の記憶はどのように残っているのか、少なくともこの場にいた多くの人にとっては観光名所の一つとの認識だけなのだろう.一方でこの地に決して足を踏み入れない人もいるとは思う.

追記
 天安門広場に集結する私服警官の姿を見ると群衆の中にも眼を光らせていた警官がいたのだろうな.不気味.