日経夕刊ーノルウェイの森、堂本暁子、小笠原道大、谷口ジロー、フォント、禁煙

 月曜日夕刊の充実ぶりが目覚ましいのでメモ.

新聞をウラから開く私の目に最初に止まったのは文化面の「ノルウェイの森、映画化進む」.村上春樹はこのうえもなく大事にする作品の映画化の権利を与えたのはフランスのトラン・アン・ユン監督.ベトナム出身の監督が日本で撮影する作品にどのような映像を与えるのか、見る気をそそる.文化部の白木緑さんの書く記事とインタビューは興味をそそるまとめかた.

「こころの玉手箱」のインタビュー記事は前千葉県知事の堂本暁子さんのお宝公開でチベットから持ち帰った石の話.彼女がチベット研究を目指した時期があったとは興味深い.

 スポーツ面に入ると「駆ける魂」の記事がジャイアンツの小笠原道大選手の特集.彼の練習ぶりが開設されている.地味な練習を積み重ねて技のレパートリーを増やす工夫を35歳の今でも続けている姿勢は参考になる.

 生活面の「人間発見」には漫画家の谷口ジロー氏のインタビュー.彼のお顔を拝見するのは実は初めて.しかし彼の作品は昔良く読んだものでボクサーを描く「碧の戦士」など強烈な印象が今でも焼き付いている.その彼も62歳になり最近では力を抜いた作品が多いそうだ.それが欧米で受けている事は、以前訪れたパリの街角の書店に谷口氏の作品(フランス語版!)を見つけたときにうすうす気がついてはいた.その疑いはギャラリーでどう見ても谷口氏の模倣としか劇画風の絵を見たとき確信に変わった.本記事では谷口氏の作品がフランスで「マンガの小津安二郎」と呼ばれるそうだ.自分が気に入っている作家が評価されるのは嬉しい事だ.

 そして「らいふプラス」の面では「一目で読める変身する文字」と題した生活に密着した見やすいフォント開発のお話.

 さらに三面までやってくると「禁煙の波、新興国にも」と題してアジア・南米諸国が医療負担抑制のために禁煙にシフトする動向が伝えられ、タバコ業界に更なるプレッシャーがかかっている現状を伝えている.

 これだけあげてみると経済誌の読者層を狙って大人向けの落ち着いた文化記事が多いところは評価できる.

 という事で今週は新聞をみっちり読むことにしよう.