UCIプロツアーは自転車ロードレースの最高峰チームで財政、実力、チーム運営、サイズなどきびしい基準を満たした18チームに対して認可される。グリーンエッジはオーストラリア初のプロツアーチームとして2012年に発足した、その後オリカ、ミッチェルトンスコットとスポンサーを替えていまも活動を続けている。チームスポーツであるロードレースはコーチによる戦略とそれに従う選手の規律、数値で測定される身体能力などが重視される。トレーニングメニュー、食事の量と体重を厳格に管理するチームが多い*1。この映画によればグリーンエッジはそのような空気とは一線を画し、選手の奔放さと個性を生かすチーム運営をしていた。その中の数名の選手を取り上げ、彼らの歓喜のシーンを映像とインタビューで綴る。扱うレースはクラシックのミラノ-サンレモ、パリ-ルーベ、ステージレースのツールドフランス、ブエルタエスパーニャに絞ってレースの雰囲気と選手の目線、コーチの目線の映像の組み合わせ、構成はシンプルだがレース映像が大迫力。
ハイライトはなんと言っても2016年のパリ-ルーベ。長年アシストに徹してきた37才の大ベテランで若手にチャベスに「ボス」と慕われるMatthew Haymanが執念の粘りで逃げグループに残り、ベロ度ロームに入ってのスプリント勝負で偉大なチャンピオンであるトム・ボーネンを交わして涙の優勝。大感激で終了。良かった〜。