世界フィギュア女子

 昨夜はTVに釘付け。いやーすごかった。安藤美姫選手は体もしぼられてたくましいアスリートの体型なのに以前に比べて顔や指先の表現力が増していました。美しさの点ではナンバーワンでした。集中力を高めて維持する力が増し、そのおかげで本番で実力を発揮することが出来たのだと思います。演技が終わっても表情は硬く、緊張が続いているようでしたが順位がわかった時点でやっと感情が表れました。一緒に見ていたうちの奥さんはもらい泣きしてました。
 浅田真央選手はジャンプ連続の攻撃的な演技で高得点をもぎ取りました。体も大きくたくましくなっているようです。フリーの演技終了と同時に感情が表れたのは演技に納得できたのだからと思いますが、同時にショートの失敗を取り返すことが出来た手応えがあったのでしょう。16歳で既にたくましいプロの意識があるのだと感じました。安藤選手、浅田選手共にアメリカでトレーニングを積みコーチや振り付け師を雇っているので大変な出費のはずです。重圧を跳ね返しつぎ込んだお金と周囲の期待に応えるプロフェッショナルの働きが出来たからこその涙だったように思います。お姫様のようなイメージでとらえられがちな女子フィギュアですが実は般若の面相でリンクにあがっているのだと思いました。
 フリーの4分間を滑りきるのは大変なことだと思います。陸上の1500m走のようなものでしょうか。その時間を大技を繰り出しながらにこやかに、しなやかにこなさなくてはいけません。故障を抱えていたキム・ヨナ選手は残念ながら後半はもう体勢を安定させる力が残っていなかったようですね。
 個人的には中野由香里選手に親しみを感じます。しかし彼女がジャンプをするたびに「よっこいしょ!」のかけ声が出てしまいます。多分10代の選手に比べ体も大きくなっていることで踏み出しと回転のスピードもおくれ、高さも若干劣るからだと思います。
 大会のHPに結果がアップされていました。公開されている採点表の詳細を見るとフリーの演技は浅田選手がすべての要素において最高点を挙げていることがわかります。解説の方には映像と採点表を比較して技術面での見方を説明して欲しいと思いました。確かに浅田選手のジャンプはすごいのですがどこがどういう点で他の選手に勝っていて、点数がどれほど上乗せされるかがわかると競技としての楽しみが増えるでしょう。それにしても女子はアジア系の選手がしなやかさと技術で欧米系の選手を凌駕していました。10年前とは雲泥の差です。
 今回のフジテレビによる放送は以前のTBSのものに比べてだいぶ控えめでしたがそれでもスポンサーの意向らしく浅田選手にマークが集中していました。競技の公正性に疑義が生じないようもっと淡々と、そしてスポーツとしての報道を心がけてもらいたいものです。

安藤選手の指先はこんな感じでした。