今朝の日経朝刊を開くと一面にでかでかと出ていた。
昭和天皇が1988年、靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に強い不快感を示し、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と、当時の宮内庁長官、富田朝彦氏(故人)に語っていたことが19日、日本経済新聞が入手した富田氏のメモで分かった。
おそらく日経の記者が富田氏の遺族から預かって中身を詳細に検証した上で報道に踏み切ったのだろう。それにしてもサミットを終え、総裁選を前にして、しかも8/15まで一ヶ月を切ったここしかないという時期での公開。日経のスクープだ。このメモに関してはすでにいろいろなコメントが飛び交っているがA級戦犯分祀問題への敷居を下げるという点で膠着状態の参拝問題の出口を示しているように思う。
ネットで見る限り朝の時点では他の大手新聞社は報道していない。昼を過ぎた頃から後追い報道が出てきた。毎日新聞は第一報の中で「日経新聞が入手した富田氏の遺族から預かった資料の写しを公開した」と出典を明らかにしていたが、朝日は「・・・・・などと発言したメモが残されていることが分かった。」と発見の経緯を明らかにはしていない。読売にしても同じ。内容はどこも同じなので日経の朝刊を読めばすぐに書けることだろう*1。
最初に資料を手にした記者はその信憑性について幾人かの識者に意見を求めた上で慎重に検討を重ねた上で公開に踏み切った節がある。しかし後追い報道はそのような時間はないだろう。資料の出自を明確にしないこと、そして独自の検証を省いて乗り遅れまいと二番煎じの報道をする大手新聞社。彼らの行動は良く覚えておこう。