パイネトレッキング 1 トーレ谷をChileno小屋まで


アマルガ湖から雲に隠れたパイネ山郡を望む
 トレッキングの予定は5日.パイネ山郡を南北に走る三つの谷ートーレ谷、フランス谷、グレイ湖を東から順にたどるものだ.アルゼンチンのWappnerにはテントを持っていけと言われたのだが、重いカメラも持つこともあり余裕を持って歩き通すために小屋泊まりとした.予定は初日トーレ谷のChireno小屋、二日目三本槍を見てからCuernos小屋、三日目フランス谷を往復してPehoe湖のPaine Grande小屋、四日目グレイ湖を遡りグレイ湖や、最終日はPehoe湖に戻り船でバス停までという一般的な行程.コースタイムを見る限り三日目を除いては余裕があるはずだ.

 初日は朝から雨.同宿のドイツ人と”Perfect day for Pataginian trecking."などと言いながら朝食をともにする.余分な荷物はスーツケースにしまい宿に預ける.迎えのバスが7時半に宿に迎えにくることになっていた.しかし20分すぎても現れず心配した宿の女性が電話をしてくれてやっと迎えが現れた.途中の休みを入れて3時間でAmarga湖畔の公園受付に到着.15000ペソの入園料を払う.積雪のためにパイネ山郡一周ルートは閉鎖中と掲示されている.ここがトレッキングの起点となる.多くの人はダート道を走る送迎バスを利用するが、Chileno小屋までの行程は時間に余裕があるのでせっかくの光景を楽しむために歩いていくことにした.雨はやんで薄曇り.パンパの向こうに雪山が見えるが肝心のパイネ山群は雲に隠れて見えない.


Hotel Las Torres の立派な玄関

 写真をとりながらダート道をゆっくり歩いて1時間半でLas Torres. ここにはとても立派なホテルがある.キャンプ場も広々としており売店には肉、卵までおかれていた.休憩を取ってここから山道に入る.トーレ谷を渡って谷の右岸を遡る.ここから小雨まじりになって、視界も悪くなる.なだらかな道を二時間たどって川岸に建つChileno小屋に到着.小屋の中は雨をしのぐトレッカー、キャンパーでいっぱい.受付でチェックインして寝室に入る.


 小屋から二時間登ったところにトーレスの展望台がある.おりてきた人の話では上部は雪らしい.この天気では山は見えないだろうな、しかし明日はれる保証はないしと考えを巡らせて結局午後2時頃から登ってみることにした.だめでも明朝もう一度チャンスはある.登りは泥道から次第に雪道にかわる.上部のキャンプ場をすぎて最後の急坂に入るあたりから雪はくるぶしまで.展望台にたどり着くが雪と強風で足下の湖しか見えない.20分ほど待つがめどが立たないので下山.おりる途中でアジア系のトレッカーとすれ違う.彼はタツロー君という名の日系アメリカ人で、これから前後して道中をともにすることになった.


雪の降る展望台にて

 6時頃小屋近くまで戻って振り返るとなんと雲があがり始めている.やがてトーレスの三本槍とその右側にCero Nido de Condor峰が見える.望遠レンズを出してゆっくり写真をとってから小屋に戻る.戻ってきたタツロー君の話では彼もこの好天が来るまで展望台にはとどまっておれず、展望台で三本槍を見たのは上部のキャンプ場に泊まっていた少数の人たちだけだったそうだ.


ようやく晴れ間が見えるがこれも束の間