京都に行った

 私は京都で9年間の長い学生時代を過ごしたのだが神社仏閣というのに改まって出かけることはついぞなかった。大勢の観光客を横目に見ていると、京都に住むものはわざわざ観光地に出かけるものではないと粋がっていたのだった*1

 しかしながら今頃になってやっぱり日本の名所は一度は抑えておいた方が良いのではないかと思い、今日の午後寒空の中を今度は堂々と、観光客として金閣寺竜安寺に出かけてきた。

金閣寺

 知らぬ間に世界遺産に登録されていたそうがさすがに拝観者が多い。駐車場からひっきりなしに入っていく。これが三連休の中日とはいえ真冬のオフシーズンだから最盛期は推して知るべし・・・・。

 初めて見る金閣寺だが二・三階をびっしり金箔で張りつめてある。光り輝くのは豪華なのだがちと派手すぎる。私の第一印象は金粉を塗りたくった舞踏家のイメージ。やはり光り物はちょっとだけキラリと見せる所に良さがあるのだと再確認した次第。

 しかし受付で渡されたパンフレットを読んでちょっと驚いた。足利義満が建立し、昭和62年に大改修されたと記されている。しかし昭和25年に炎上して再建されたという事実は記されていない。僧侶の放火による原因は寺側としては受け入れ難いことなのかもしれないが目前の建物が室町時代のものなのか、昭和のものなのかは大きな違いなので明確にしてもらいたい。何せ三島由紀夫の小説ですでに有名な話で、金閣寺の重要な歴史のひとつなのだから。

竜安寺

 有名な石庭は周囲の塗り壁が改修中で残念ながら落ち着いた雰囲気はなかった。しかし金閣寺に比べれば遙かに人は少なく落ち着いていた。平日に来れば静かに時間を過ごせることだろう。

これは石庭入り口にあたる庫裡の鬼瓦。


それから

 京都は建築規制がかかっていることもあってか町並みは昔とさして変わらない。京福電鉄はいまだにチンチン電車で走っているし、こじんまりした軒先も昔のままだ。今日訪れた界隈は当時付き合っていた彼女の住まいに近く、なじみのあるところだったので少し想い出に浸ってしまいました*2

*1:バカ

*2:その彼女は今の嫁さんですが