ホリエモンテスト

 昨夜の帰宅途中の電車には堀江貴文社長の逮捕を報ずる号外を読む人ばかり。改めてインパクトの大きさに驚くことしきり。私は株のことは疎いので彼らがルール違反を犯したらしいということは理解できるがその重大さの度合いと彼らだけが非難されることなのかは正直言ってわからない。しかしこの事件を機に堀江社長という毀誉褒貶の激しい人物の評価が二分したことで、このたぐいまれな個性をもつ人物が人間評価のリトマス紙となっている。

ホリエモンを支持した人

オヤジ

 堀江社長と直接利害関係のない人で、年齢、地位が上の人では結構支持していた人は多かったようだ。単に自分の果たせなかった夢を彼に託した人もいただろうがそういう人ばかりではない。

「おー、イキのいい若いヤツがでてきたのぉ。生意気な所はあるが見所もあるようぢゃ。ひとつここはかわいがっておいてどこかで使いみちをさがしてやろう。」

 こんな人々がいたはずだ。

 自民党執行部はその最たるもので彼を選挙にまで引っ張り出した。広島6区で勝って議員になっていたらどうなっていたのだろうか?

若者

 彼らもまた自分の果たせない夢を堀江社長に託し、その上の旧弊な社会規範を破壊することを期待した。しかし破壊した後に何が創られるのかの明確なビジョンがあっての支持ではないので偶像が崩れれば見捨てるのも早い。

ホリエモンを警戒した人々

同業者

 堀江社長と利害関係が衝突するビジネスマンには評判が悪い。当然だ。商売敵にルール違反で儲けられて、のし上がられてはたまらないからだ。

堅気の人

 ライブドアの商法は今回手口が暴かれる前からうさんくさいものがあったそうだ。「実業」とはほど遠いはったりで株価の上昇をはかり儲けるのは虚業に他ならない。

 しかし不思議なのは株式分割などの怪しげな手法にこれまで表だった批判を聞かなかったことだ。検察が入って以来のライブドア非難の大合唱がこれまで聞かれなかったのはなぜだろう。尻馬に乗る人々の発言には気をつけなくてはいけない。

 しかし今回の件に関する意見で一番心を打たれたのは、おそらく長らく堀江氏の背中を見続けていただろうこの人のコメント。詩人だなぁ。脱力感とむなしさがにじみ出ている。