滅び行くもの

[高松塚解体]「かけがえのない壁画を守れるか」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070406ig91.htm

 古墳の壁画のカビによる損傷とその復旧作業のために古墳解体に至ったいきさつが新聞をにぎわせている。しかしそもそもあのような壁画が現代人の目に触れたのはそれまで古墳が密閉され、保存状態が良かったからで、いったん開かれ人の手が触れた時点で剥離・損傷は予想された事だろう。そもそもとうの昔に朽ち果てていたはずのものを見ることができた奇跡にこそ現代人は感謝すべきで、その後は自然の風化が進み、土に還ることを粛々と受け入れれば良いのだ。

 なぜ滅び行く壁画を守らなくてはいけないのか?私にはさっぱり理解できない。おそらく本当に困っているのは「壁画は未来永劫守ります」くらいの事を約束して村おこしをはかった自治体と予算獲得に動いた文化庁なのだろう。しかし今となっては壁画は朽ち果てていく定めにある、と言ってもらった方ほっとする人々が多いことだろう。ごく一部だけでも保存に成功すればほめてあげましょうよ。