フーコーの振り子


 パリ中心部にあるその建物の玄関をくぐるとドームの天井から真下に降りるケーブルに金属の球が揺れている。迂闊にもそれを見るまでパンテオンがあのフーコーの振り子の実験が行われた場所だと言うことを知らなかった。振り子は地球の自転に伴って建物の中での振動方向を変える。床すれすれを振動する振り子のまわりには目盛りのついた円形の柵がおかれ、おおよその時刻を知ることが出来る。ゆっくりと、大きな振幅を描いて動く重量感たっぷりの金属球はフーコーの時代から回り続けている地球の歴史の語っているようだ。