潜水服は蝶の夢を見る

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42才の働き盛りで脳梗塞に倒れ、まばたき以外の随意運動が不能になった花形雑誌編集者ジャン=ドミニク・ボビーの話。ジャン=ドミニクの片目からの視線を表現するカメラワークがうまい。女性に向けるカメラの視線だけが彼の男性としての心を表現する。ストーリーは淡々としたもので大きな感動を呼ぶというよりも、自分がこんな目に遭ったらどう出来るだろうかと考えさせられる。目の前の子供を抱いてその存在を確かめる事も、自分の意志で命を絶つことすら出来ないのだ。主演のマチュー・アマルリックの左目と独白だけの演技は凄いと思うのだが感動よりももっと重苦しいものが残った作品だった。

 一つ気になったのは言語療法士が考案したコミュニケーションの手段として用いたアルファベット表。使用頻度に応じて並べ替えられておりESARIN・・・と続く。聞き取り手はこのアルファベットを読み続け、ジャン=ドミニクは選びたい文字が来たら瞬きでサインを出す。これを繰り返して単語、文章を綴る。大変な作業をやり続けて著書の出版までこぎ着けた忍耐力には感嘆する。しかしこのアルファベット表を、一列の単語ではなく二次元の行列で数字の組み合わせで表現すればずいぶんと簡単だったろうに・・・と思うのだ(ケータイ電話方式というべきか!)。