Sir John Gurdon

 今年で75歳になるGurdon博士によるセミナー。ご自分のキャリアの原典である核移植によるゲノムの初期化のプロジェクトに関わる最新の成果を語る。今なお現役の実験家である博士の語り口のシャープなこと。必要な事は全て語り、無駄な言葉はいっさい無い。極めて論理的な話し方で聞き惚れてしまう。こういった上手い話し手のトークは話した事そのままが論文に出来るくらい整理がなされている。旧知の私の恩師がもらった賞の話をしたら「それはおめでたい、早速メッセージを送るから賞の正式名称をおしえてくれ。奥様は元気にしておられるかね。」などとメモをとりながら聞いてくる。こまめな人だ。そのまめさが生涯現役の秘訣だろうか。偉大な学者である。