Green Book

1960年代、高い教養とクラシックピアノの超絶技巧を持つもののリトル・リチャードもアレサ・フランクリンの名前も知らない風変わりな黒人ピアニスト ドナルド。黒人であって黒人でない、しかし黒人である事の不利益を味わい続けた複雑な人格の持ち主が、自分の実在を確かめるために厳しい人種差別が残る南部アメリカに、ドライバー兼用心棒にイタリア系アメリカ人トニーを雇い演奏旅行に向かう。アメリカ映画独特のロードムービーを舞台にして南下するにしたがい変化していく差別の空気、知性溢れるドナルドが次第に粗野なトニーの心を掴んでいくところ、頻繁に出てくる気の利いたセリフ、がとても上手く映画で表現されている。音楽シーンは素晴らしい。クラシックもジャズもその融合も上手く表現している。音楽シーンだけでも見る価値がある。☆☆☆☆☆

 

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