晴れ

roadman20052005-05-11

昨日は仕事の集まりで伊豆半島に出かけてきた。伊豆と言えば城ヶ崎海岸。海岸の断崖をよく登りに行ったものです。しかし岩は風化するもの。岩場の崩壊はよく起きているらしい。目の前の岩が安定しているのか、割れる心配はないのか、それを見極める眼も必要だ。生きて崩壊を続けている岩が何事も未来永劫安定した物などない事を教えてくれる。


 東伊豆の海を見て感じたこと、それは波の音と海の香りがすること。こんな当たり前の事が私のいる神戸ではないのである。それは都会の海には磯と浜がないからだ。完璧極まる護岸工事で海は固められ、生物が繁殖する磯もない。毎日海を見下ろす日々だが味気ない事も事実だ。生きた海を身近に見たいものだ。



 さて肝心の研究集会だが特別講演に招かれた方の話が印象的。生物学者の集まりの中に一人化学者が混じって話された。金属表面に捕らえられた分子の挙動を低温下での走査プローブ顕微鏡(SPM)などを駆使した分子イメージング技術で解析するというものだ。電子軌道の話などほとんど大学の教養以来耳にしていないのだがなぜか心地よい。化学者の物の見方が我々とはずいぶん異なる事も認識できる。しかし話しぶりからだけでも優秀な研究者が優れた研究を語っている事はわかる。一流の科学者の話には座してしっかりと耳を傾けるべきである。堂々の話しぶりも良かった。科学者は科学を語るときこそもっとも輝くのだ。