バカの山

バカの壁 (新潮新書)」が400万部、歴代1位続伸
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050901i515.htm

 これには驚いた。信じがたい数字である。昨年の日本の総人口が1.27億人(総務省統計局)なのでその3%。読者層になりそうな15-64才の人口が8500万人なのでその4.7%である。
 実は私も400万分の1冊に貢献している。しかし読んでからとても後悔した。もしこれを脳科学の入門書と勘違いして400万人もの人が読んだとしたら困ったことだ。この本は人にあげてしまったのでもう一度同書を開いて細かい点を検討することはしない。しかしこのおそらく口述筆記で作られた本は内容が練られておらず少なくとも科学を勉強しようとする人は読むべきではないというのが私の強い意見だ。
 私は養老孟司氏の他の著作を読んだことはなく解剖学者としての実績もある方をここで批判するつもりはない。しかしこの「バカの壁」がこんなに売れる状況には危惧を感じる。読者がお手軽に科学をわかったつもりにさせてしまうのだろうか?それも400万人も!著者自身がどこかで語っておられたがここの本がなぜこんなに売れるのか著者本人も理解できないそうである。タイトルに意外性があることだけは認めるが読むべき内容はない。