Doping Scandal 2

 アームストロングのEPO服用疑惑のこれまでの経過、プロサイクリングでのドーピング関連の事実の記録はcycling4allの記事に詳しい。

 CNの記事によるとレキップの指摘に反応してUCIがアームストロングのEPO疑惑に関して10日以内に何らかの結論をくだすとの声明を出した。

 UCIがどんな結論を出すのか?当事者の立場に立って考えればとても難しい対応を迫られている。

 私の理解では、通常ドーピングテストはUCI主導で二つに分けられた検体のうちAサンプルを検査し、疑わしい結果が出れば複数の専門家が再検討し、確認されれば結果が報告される。Bサンプルも同じ結論であればクロ。Bで確認できなければシロの結論になる。

 今回のツール1999の検体のケースは通常のドーピングテストではなく、「検査の精度を上げるための研究目的で」出されたデータがリークされている。他の専門家の再確認は行われては居ないだろう。UCIとしてはこんな結果のみをもとにどのような処分をすることもできない。また過去にさかのぼっての検査を行うとなると今回のケースだけでは片手落ちで膨大なサンプルを処理しなくてはならず現実できではない。

 下手に対応すると泥仕合になって自転車競技自体のイメージダウンにつながりかねない。UCIにできることは今回の新聞報道は大規模な再検査を行うきっかけにはせず、これからのレースでのドーピングコントロールを強化するということだけではないだろうか。

 しかし今回の騒動はプロツアーの主導権を巡るUCIグランツールのオーガナイザーの破談に終わった駆け引きの代理戦争なのかもしれない。ツールのメインスポンサーはレキップだ。

 クリーンなレースで競技の公正さを維持することが目的のドーピングコントロールがおかしな乱用のされ方になってきた感じがする。