Coltrane Crescent

Crescent

Crescent

 Coltraneの雰囲気にはまるとどれが特にお気に入り、ということではないのに何枚でも購入してしまう。困ったものだ。ColtraneはBGMや仕事帰りに効くにもヘビーすぎるので実はあまり頻繁には聴かないのだ。
 今このコメントをかくために聴き直しているがこのアルバムの個性が自分にも見えてきた。二曲目の"Wise One"は美しいメロディーをコルトレーンとマッコイ タイナーが前衛的になりすぎず、甘くなりすぎず、のぎりぎりの狭間をさまよいながらメロディーを刻んでいく様がスリリングな名曲だ。マッコイのソロが切なく美しい。
 4曲目”Lonnie's Lament"を聴いているとColtraneのサイドメンたちの演奏にあまりサプライズを感じない。確かにMaCoy Tynerであり, Jimmy GarrisonでありElvin Jonesである事が極めて明解すぎるほどに明らかなのである。私の頭には"Love Supreme"が焼き込まれているので彼らがソロを始めると「あっ、この音の使い方はあそこのソロの部分に似ている」と比較してしまうのだ。もっと冒険しても良いのに、と思うのだがリーダーのコルトレーンがそれを許さなかったのかもしれない。

 最後の"Drum Things"はドラマーのエルヴィンのための曲だ。ピアノ抜きでベースがリズムを刻み、エルヴィンが奔放にドラムを叩き全体をリードしている。そこにコルトレーンのテナーがかぶってメロディーをきざむがあくまで控えめで全体の進行はエルヴィンに任されているようだ。普段のバック演奏から離れて元気に演奏するエルヴィンが楽しそうである。

 曲により優劣はあるがCrescentはやはり名盤だった。