熊野古道ヒルクライム

 最後の登りに入るとそこはコンクリ舗装の激坂だ。路面は荒れてでこぼこの穴だらけ、石が散乱して走りにくいことこの上ない。最大傾斜20%はうそではなかった。それも延々と続く。ペダルを回す動作はもはや不可能で一歩一歩気合を入れて全力で踏み込むのみ。たちまち心拍数は180を超え、体中に乳酸がたまって来た。気がつくと下の登りで置き去りにしたはずの選手たちががすぐ後ろに迫ってくる。しかし彼らを突き放す力はもう残っておらず抜かされるのを他人事のようにながめるだけだった。ようやく傾斜は緩んだときにはゴールが目前、無酸素状態で朦朧としながら山頂にたどり着いた。

 いやーしんどかったです。レースの距離24.9km、総獲得高度1045mは6月に行った富士ヒルクライムよりも少ないでした。しかし今回はアップダウンがあり傾斜の変化も多く、そして参加者のレベルも高いように思いました。同順位で走る集団内でもぐいぐい引っ張る人がいておのずからペースが上がります。今回は準備不足もあってかスタート後、いきなり息があがってどうなるかと思いつつ何とか完走することができました。多くの選手の走りを見ることで困難なコースでのペース配分、安定した下り方、激坂のぼりでのパワーと気合の必要性、など多くを学んで反省の多いレースでした。しかし困難なだけに終わってみれば走り甲斐がありました。小さいながらもアットホームな雰囲気でレース後の食事も美味しくいただきました。主催者の方にはぜひ来年も開催していただいて、また参加したいと思います。

写真はゴール地点から見渡す奥深い熊野の山々。