Coming to Life: How Genes Drive Development
- 作者: Christiane Nusslein-Volhard
- 出版社/メーカー: Kales Pr
- 発売日: 2006/03/15
- メディア: ハードカバー
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読んで改めてわかったのは彼女はルーツはやはり分子生物学者だと言うことだ。生化学から転じてショウジョウバエ遺伝学に入った彼女は発生を遺伝学の記号論で説明することに邁進して、ついにショウジョウバエでそれが可能であることを示した。彼女にはハエが遺伝学に適したツールという認識はあったが必ずしもハエと心中する気などさらさら無かったようだ。彼女はその後ゼブラフィッシュに転じたが、これは脊椎動物でも同様な記号論の可能性を見て取ったからだろう。ロジックを見いだすツ−ルならばバクテリアだろうがヒトであろうが手段は選ばなかったのだと思う。
冒頭で彼女は生物学の魅力についてこう語っている、
The low of physics and chamistry tell us the only chaos will develop of its own. And yet, in living beings order does prevails. So the question is: how does order prevail and, more importantly, how does order evolve in the first place?
生命がエントロピーの増大に抗して増殖を続ける、この最も根元的な問いを忘れずに問い続けることにこそ彼女の成功への鍵があったのだと思う。目先の面白いものに目移りする態度は戒めなくてはいけない・・・。
飛行機の中で読み通すことが出来たのだがその理由は平易にまとめたトピックで特に私には目新しい概念が出てこなかったからでもある。その意味でこの本は始めて生物学に取り組む学生が高度な教科書を読む前段として読む入門書として優れたものだ。