笑いの大学

笑の大学 スペシャル・エディション [DVD]

 これはうってかわって役者二名が密室で対決するドラマ。戦時中の劇団の脚本を検閲する検閲官(役所広司)が座付きの作家(稲垣吾郎)が持ってくる脚本を徹底的に修正させる。理解できない検閲官が修正を加えるたびにますますおもしろさを増してしまう脚本。巧みなプロットと次第に笑いを理解できない検閲官の役所さんの演技が見事。大笑いの展開の最後の結末の付け方が良い。笑って、泣ける。

 三谷さんの映画二作はいずれも名作だ。しかしあの「新撰組!」は明らかな失敗作。近藤勇など歴史上のキャラクターが濃すぎて三谷流の味付けも効きめが弱かったようだ。彼には原作の制約なしに自由に創作してもらうことの方が向いていると思った。