台湾


 先週台湾に行って来ました。台北にある中央研究院という研究機関に属する分子生物学研究所というところで行われました。発表者はおおむね独立したばかりの若い研究者が多かったようで、台湾のサイエンスが今も発展を続けていることを物語っています。多くの人は大学院、もしくはポスドクの時代を海外(主にアメリカ)で過ごして台湾に戻って新しく研究を始めた所のようです。なので研究テーマとスタイルはポスドク時代に学んだものが色濃く残っています。独自のスタイルをどのように作り上げるかが課題のようです。もちろんすでにオリジナルな研究に進んでおられる人も多く、あと5年もあれば研究の広がりと深みが増すことと思います。

 台湾の研究者のもう一つの特徴は女性が多いことです。分子生物学研究所(IMB)のサイトを見ると32名のPIのうち、半数近くの14名が女性です。IMBのリーダー格で台湾のNational Science Counsleの要職についているDr. Bon-Chu Chungさんに聞いてみたら女性PIが増えてきたのは最近の事のようです。一般的に共働きの家庭が多く女性が働き続ける事への抵抗は少ないらしく、その背景には共働きでないと生活が大変だという経済的な問題が大きいようです。大学院まで出た人が研究のプロとしてやって行くには人を取り巻く環境(住環境、育児など)と共に本人の働く意志が固くなくてはいけません。働き続けるモチベーションには経済的な動機付けは大きいのだと感じました。しかしこういったスタイルがいったん定着すれば彼らがもっとゆたかになっても変わることはないでしょう。

 参考ー>大手小町

 台湾の人々は顔立ちも性格も日本人に通じるところがあり、礼儀正しく、そしてシャイな所まで似た所を感じます。第二次大戦が終わるまで50年間日本が統治していたのですが親日的な人々が多く中国、韓国とは違った親近感を台湾の人々が日本にたいしてもってくれている事を感じます。中国大陸からの政治的、軍事的な圧力を受けてのこととは思いますが政府が反日キャンペーンを張るような事も聞いたことがありません。日本から3時間で行ける隣国が懐いてくれる友好的な雰囲気は大事にしたいものです。

 写真は円山大飯店の屋根。