「The Incovenient Truth」を巡る議論について2

人類の化石燃料の使用に伴い地球の大気中の炭酸ガスが増加し、その温室効果で地球の気温は上昇、気候の変動と海水位の上昇で人類は危機に瀕する。これが地球温暖化の問題だ。これに対応する事は容易ではなく、国同士の足並みもそろわない。エコロジーが実効性の薄いファッションになり、「地球に優しい」を免罪符にする企業が増え、グリーン購入のように滑稽なものもおおく抜本的な対策が難しい事はあきらかだ。

その困難さには二つの階層がある。

科学的事実を受け入れるか?

 CO2は温室効果を生み、そのレベルは人類の繁栄と共に上昇を続けている事と近年は暖冬が続いていることは事実だ。しかしCO2の上昇と気温の上昇に因果関係があるのか、そして気温は上がり続けるのか?これを確認するためには時間がかかり、手遅れになる可能性が高い。なので科学者はデータを収集し、予測を行う。確度の高い予測は天気予報の用に役に立つ。地球温暖化への危惧は無視できないレベルに達していると言うのが現在の科学的なコンセンサスだろう。適切な対策を今からとるように政治家と企業家へ提言が成されている。しかし米国のように現政権が地球温暖化の問題が存在することを受け入れない所もある(神の存在を学校で教える国だからな〜)。Lonborg氏はInconvenient Truths for Al Gore by Bjørn Lomborg - Project Syndicateではこの問題は受け入れながらも様々な攻撃をしかけている。

で、どうしたらいいの?

 地球温暖化の危機の存在を受け入れても、どういった対策が可能なのか、そもそもこんなに人口が増えて、贅沢している国民がいる中で有効な温暖化対策はあるのか?これが次の問題だ。世界でエネルギーの格差と貧富の差は著しい。その中で化石燃料の使用制限を各国に義務づけることは大変な事だ。自分で正確に見積もることは出来ないがその経済効果は高くはないということもあるかもしれない。

このような方針に批判も多い、
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/a1eba20b7b1f8a5ee05f33b42f7480a7
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/ea62733a1c786d22584403e80079ba29
「アル・ゴアに不都合な真実」
「天候問題は待ってくれるが、健康問題は待ってくれない」

 とはいって何も手を打たずに残りの資源を食い尽くすどんちゃん騒ぎを人類が続けていっていいと言う理由にはならない。私にも名案があるわけではなく、おそらく泥臭い交渉と妥協の末に焼け石に水の政策しか残らないと言うことも危惧される。おそらく経済の専門家にしてみれば経済原理で動かすことの出来ない問題で政治家の腕力を頼むような問題に首をつっこみたくはないと言う感想なのではと想像します。しかしこんな時にこそ人類が知恵を出すことが必要で、経済のエキスパートの力が必要とされており、池田信夫さんやLonborgのような専門家は冷笑的に批判するのではなく建設的な提言をして欲しいと切に思うのです。