さくらん

 写真家が監督する映画ということで気になって見てきた。全編鮮やかな極彩色の花、着物、部屋の装飾などが満ちあふれる。各所に色と構図がきれいに計算されたシーンが多く監督がどんな効果を狙って演出したかを考えながら見ると楽しめる。ヒステリックに荒れまくる女優陣には多少うんざりなのだがそれも抑圧された女郎の世界だからと言うことなのだろう。女郎屋は奴隷制度そのものだ。だからこそ最後に主人公が身請け直前に駆け落ちして、本人も観客も解放されるされる設定が生きてくる。土屋アンナが良い女優なのかはよくわからないが彼女のきれいな鼻先をが横からのシルエットで撮るとよく映える、ということがよく計算されていた。監督の蜷川実花さんはこれまで知らなかった写真家だったのだがHPを拝見すると映画で見た通りの色彩感があふれて楽しい。☆☆