ipod touchでいろんなアプリを試してみた.一時期はまったのは数独.いったん解くコツがつかめるとパズルが埋まる快感に取り憑かれて通勤電車の行き帰りで熱中していた.しかし一番難しいレベルになるとつまづいて時間がかかりすぎるようになり、旅行で間が空いたのを機会にようやく足を洗うことができた.
そして最近試して当たりだったのが読書.
J.S. Mach: Stanza
iPhoneに青空文庫がやってきた! | alfabeat 1st
ここで紹介されている方法で青空文庫や英文の著書を集めている.通勤や出張の移動中に使ってみるとなかなか良い.
優れた特徴をあげると、
- 片手で操作でき、文庫本よりも持ちやすい.
- 自動的に読んだ途中から開始してくれるのでしおりをはさまなくても良い
- 文字サイズ、行間を調整できるので読みやすい大きさで、なおかつ把握しやすい分量の文章を画面あたりに表示することができる.そのため集中力を維持しやすい.
- 名作を手軽に読むことができる.かつての必読書で読まなかった(敬遠した)ものを改めて読むことができる.
一方でipod touchでは不利な点を上げると、
- ページあたりの分量が限られておりブラウジングには向かない
- 下線をひいたりメモ書きができない
- (当然のことながら)新刊を読むことはできない
- 本のにおいと紙の感触を味わうことはできない
なので短編、中編の作品に向くようだ.私は芥川の「斜陽」、「散華」、小島 烏水の「槍ヶ岳第三回登山」などを読んでみた.いずれも名文で名作.
つまみ読みで「味見」もできる.「蟹工船」を読んでみたが数ページでやめた.この雰囲気は高村薫の「晴子有情」に通じるものがあるが光景の描写は「晴子」が数段勝る.
長編を少しずつ我慢して読むのにも向いている.「進化論」をダウンロードしてちょこちょこ読み進んでいる.ダーウィンが既に現代の遺伝学、ゲノム科学の基本概念を整理し、根本的課題を的確に指摘してたことが驚くべきことだ.
つくづくipod touchは良くできた電子文具だと思う.これだけの分量の有用な情報を検索しやすい形で持ち運ぶことができ利便性と気に入った文章・音楽・写真などを身につけておける安心感と満足感はすごいものだ.ネットから切り離されることも大事なので当分iphonではなくtouchを使いこなしてみようと思う.