捏造を防ぐシステムは可能か?

 最近のデータ捏造が連発する状況に対しての防止策の議論が始まった。データ捏造はよそさまから頂いた研究費(多くは国費)をつかって嘘をでっち上げて世間をだます行為なのでスポンサーに対する詐欺行為であり、同業者に対してはルール違反だ。peer reviewシステムは多くの専門家のボランティア活動によって支えられているが、その根底をなす研究者に対する信頼を裏切った罪は重大だ。嘘のデータにもとづいた研究に対して企業からの援助を受けていたとしたら株主に対する詐欺行為とも言える。しかし嘘と断定できるケースは簡単だが多くの場合嘘と真実の境界が明らかではないケースが多い。これは科学研究とは広大なグレーゾーンの中を真実を求めてさまよう行為だからだ。
 ここでは捏造行為を取り締まる組織を作れ、との意見にたいして、別のやり方がありうることを考えてみる。

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