Astor Piazzolla

Astor Piazzolla: A Memoir

Astor Piazzolla: A Memoir

    • データベースに掲載されていないCDの代わりに本のカバーをお借りしました。

 Tレコードでアルゼンチンタンゴの巨匠ピアソラのCDを入手。これはそもそも先週水曜のNHK-FMの朝の番組で耳にした黒田亜樹さんによるピアソラの曲をピアノ用に編曲してまとめたCDを探しに出かけたのだが在庫がなく、代わりに(といっては大変失礼なのだが)ご本尊のCDを購入したというわけ。


 ところが家に帰ってあまり期待もせずに(またまた失礼!!)何気なくかけた一曲目から目が覚めた。哀感漂う曲風にピアノ、ギター、弦楽器、それとピアソラ自身によるバンドネオン。これはスゴイです。平身低頭、土下座してピアソラさまに謝らなくてはいけません。


 ピアソラを紹介したサイト Piazzolla.org Home Page: Astor Piazzolla and his Tango Nuevo (in English) を訪れて彼の経歴をチェック。子供時代をニューヨークで過ごした後にアルゼンチンに戻る。バンドネオン奏者としてタンゴの道を歩むがなんどか回り道をしている。特にクラシック音楽には傾倒し、34才の時にはパリに留学までしている。ヨーロッパでは広く受け入れられて大きな成功を収めた後に1992年に81才で亡くなった。私が洋楽に触れた10−20才台にピアソラは活躍していたのだが当時は全く関心がなく、アストル・ピアソラの名前だけが頭に残っている。彼の曲にはクラシックやジャズや色々な音楽の影響が端々に見られる。当時としては前衛的な編成で欧米で受け入れられた事はよく分かる。しかし母国アルゼンチンではどう受け取られたのだろうか?何事につけても発祥の地は保守的に走りがちで改革が進みにくい事が多いのでアルゼンチンの国民性を知る上で興味あるところだ。



 このCD、ドイツからの輸入盤で10枚CDセットが1500円という究極の激安セット。CDを紹介しようにもどこのCDデータベースにも掲載されていない。



 まだ聞き込んでいる最中だが豊かな曲想、アレンジの巧みさ、リズムの多彩さ。どれをとっても一流で10枚のCDが多すぎることはない。バンドネオンやストリングのバックに流れるエレキギターの調べが何とももの悲しい。今日はタンゴに波長が合う気分だったらしい。ゆっくりと聞いていきたい。