micro RNA

 本日のJCでNさんがRNAiのレビューをしてくれた。進歩が激しすぎて自分だけではフォローしきれない。最近はガン細胞のmicro RNA、細胞周期のmicro RNA、幹細胞のmicro RNA、○○のmicro RNA、△△のmicro RNA、等々RNAのオンパレードだ。極めて重要な、謎の多い現象なのだがしかしその位置づけはまだ定まっていない。もちろん転写因子や翻訳因子に代わる制御因子ではなく、蛋白質による制御を補完する位置づけなのだろう。


多数のmicro RNAが存在し、一方で多くのmRNAは複数のmicro RNA標的配列を持ちおそらく数多くのmicro RNAからの抑制をうける。またmicro RNAの前駆RNA自体もmicro RNAの標的になることが予想される。すると極めて多数のリンクをもったネットワークになり、個々のmicro RNAの量も変動(振動??)する可能性がある。おぼろげながら自分の頭に浮かんだイメージは蛋白質の制御ネットワークを骨格とすると、micro RNAはデジタルな構造を覆う隠す雲のような存在だ。Jerneの免疫ネットワーク説のイメージが重なる。生体システムは変異源、進化、生理的など様々な外的要因に作用を受ける。micro RNAはこれらの攪乱に対して生体が安定して反応する緩衝剤(もしくは潤滑油)としての役割なのかもしれない。

 このようなおおざっぱなイメージ作りがあたっているかはわからないが個々の現象を追うこととは別に一歩引いた立場で眺めてみることも大事だと思う。