クローン家畜は安全か?

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20061229it16.htm?from=top

 もちろん安全。家畜が適正に飼育され、食肉が販売される限りにおいては核移植技術に由来する危険性があるとは科学的に考えられない。そもそもどんな家畜も穀物でも品種改良の産物であり、核移植技術は改良された品種を遺伝的に均一な状態で供給することを可能にする品種改良の一手段に過ぎない。植物ではすでにクローン技術は当たり前の技術で特に表示するまでもないことでしょう。

 食品の安全性への関心は日本人では特に高く、我が国の高い衛生水準の維持に役立ってきた。この点は国際的に誇るべきことです。なので食に関する問題点にはしっかり理解を求めたうえで不安を取り除く手続きは重要です。

 しかし、私はその上でこの問題の議論は峠を越えたものとして一般での流通に道を開いても良い段階に来ていると考えます。

 stochinaiさんがこの件に関して「私はクローン動物を食べてもまったくなんの問題もないと思いますが、知らされないということに大きな問題があると思います。」と発言されています。私は同意できません。問題ないならば表示を義務づける理由を見いだせず、義務化した時点で流通・販売に大きなコストを強いて新技術のメリットを相殺しかねないからです。もちろん「これは核移植ではありません」と表示して付加価値を高める(価値を認める人がいれば、の話ですが)ことはありですが・・・。

 科学者としては科学に対して不安と不信をあおるのではなく、科学技術の果実が社会に定着するために冷静で地に足がついた説明を行う義務があります。そして私はそれを果たしたいと思います。