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 なんだかこの話題が盛り上がっているようだが、私の業界にもdiscとdiskがある。imaginal disc/diskだ。appleの定義とは異なりこの場合は全く同じものを指す(=完全変態昆虫の幼虫に見られる成虫原基)。

Google Scholarで探すと、
http://scholar.google.co.jp/scholar?q=imaginal+disc&hl=ja&lr=&c2coff=1&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
8380件

http://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&lr=&c2coff=1&q=imaginal+disk&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
1830件

で前者のdiscが圧倒的に優勢。

しかしdisk派には、Bryant, Gelbert, Nijhout, Schubiger, Garcia-Belido, とこの分野のパイオニアたちが多い。元を辿ればドイツ語圏のスイス人Ernst Hadornの著作までは辿れるようだ。そもそもドイツ語の辞書を見るとdiskは円盤という意味で項目があるがdiscは見つからない。なのでimagimal diskが元祖のように思われる。


 ではいつからdiscが台頭したのか?Pubmedで探したところHadornの弟子でdisk派だったと思われるAntonio Garcia-Bellidoが1966年に執筆した関連した著作でdiscとdiskをそれぞれ使っていることだ。

Changes in selective affinity following transdetermination in imaginal disc cells of Drosophila melanogaster.
Exp Cell Res. 1966 Nov-Dec;44(2):382-92

Pattern reconstruction by dissociated imaginal disk cells of Drosophila melanogaster.
Dev Biol. 1966 Oct;14(2):278-306

いずれもPubmedで調べたところでは最初期のものだ。どちらの論文も細胞の選択的接着性をあつかった影響力の大きい論文だ。Garcia-Bellidoは意図してdiskとdiscを使い分けたのだろうか?そんな事はないだろう。彼の気まぐれなのか、誤植なのか?いずれにせよもっと以前の文献を漁らなくては結論は出ないがAntonioに会う機会があれば尋ねてみたいものだ。Pubmedは古い論文は網羅していないのでもっと以前まで遡らなくてはいけません。それはまたあとで。