データを見せろ!

Show me the data | JCB
JCBの巻頭言。JCBとThe Journal of Experimental Medicineの編集者らがimpact factorのからくりと不透明(不明朗)な点を指摘している。IF=過去二年間の総citation/その年度の論文数、で計算されるがIFを挙げるためのからくりがある。分母は少ない方が良いのでresearch paperだけが含められる。分子は多い方が良いのでレビューやnews and viewsなどの雑誌記事的なものに対するcitationまで含められる事もあるらしい。Thomson ScientificによるIFの計算方法がジャーナルによって異なるのではないかと言うことが指摘されている。JCBはそのIFの基礎データを要求したのだがJCBエディターがそのデータで計算してみたところでは公表されたIFは得られなかったというのだ。なのでオリジナルデータが間違っているのか、計算方法にからくりがあるのかいずれかだと推定される。根拠のあいまいなデータで格付けされて雑誌の価値が(株価が)決められるのがエディターとして我慢ならないのだ。それは投稿者と読者への侮辱でもあるのだ。
 彼らの主張は最後のセンテンスにまとめられている。この記事はフリーで読めるので是非読んでみてほしい。

Just as scientists would not accept the findings in a scientific paper without seeing the primary data, so should they not rely on Thomson Scientific's impact factor, which is based on hidden data. As more publication and citation data become available to the public through services like PubMed, PubMed Central, and Google Scholar®, we hope that people will begin to develop their own metrics for assessing scientific quality rather than rely on an ill-defined and manifestly unscientific number.

 Developmentの2008年度の巻頭言(これはフリーでは読めない)ではEditor in ChiefがIFが上がったことを誇らしげに語っていた。IFを挙げるために論文の本数を削り、レビューとmeeting reportを増やす事が効いたのだろうがこれが本末転倒な行為であることに読者は気がつかなくてはいけない。