肩治療

 相変わらず調子の悪い肩はやっかいな事に寝ている時に痛みが増す。おかげで明け方に目覚めると寝付けなくなりいつまで経っても時差ぼけ状態から復帰できない。ご近所の方に紹介して頂いて大学病院の整形外科に診てもらうことにした。今回は肩の解剖学と医療に関する資料(整形外科パブ−1, http://www.eorthopod.com/public/patient_education/6527/shoulder_anatomy.html)を読んで肩の骨、腱、筋肉の関係と主な肩痛の症例を頭に入れてから病院に向かう。また先日スイスに出張した際に同じ肩痛に悩んでいたKBさんが彼の症例とどのように治療したかを丁寧に説明してくれた事も役だった。腕の重みで常に引き抜き方向に負荷がかかっているのを支えつつ、可動域が極めて大きい関節を維持している肩関節がいかに複雑で精緻な構造に支えられているかは感動するくらいだ。
 さて病院。問診のあとで再びレントゲン撮影。撮影後の写真は自分が整形外科に持ち帰るので廊下で素早くチェック。骨の位置関係を確認。折れているところはなさそうだ。そして写真を前にドクターに診て頂く。丁寧に腕をあちこちに動かし可動域と痛みの出る動きのチェック。いろんな方向に腕を動かして力を込められるかどうかを確認しているのはそれぞれ個別の筋肉と付随する腱の状況を確認しているようだ。肩の模型を手に丁寧に説明をして頂き「肩峰下インピンジメント症候群」であろうと仰った。肩板の腱がどれくらい損傷しているのかは不明なのでMRIをとってもらうことにして予約を入れる。

 炎症の対策にケナコルトAという副腎皮質ホルモンを注射する。先月は三角筋の上から肩板のあたりに打って効果がいまいちだったので今回は後ろ側から関節内に打った。現在注射後12時間を経過。効果はあるようだ。持続するそうなのでこのまま様子見になるのだろう。

 この整形外科には野球、サッカー、ラグビーなどいろいろなスポーツ選手が来院するそうだ。丁寧でなっとくの行く説明をしてくださった医師の方に感謝。

 今回参考にしたeOrthopodのサイトにはこのような言葉がある。

You want more control over your health. Education about your condition will empower you.
Ask the right questions when you see your doctor or surgeon. Find the information you need on
eOrthopod.com.

「健康管理のためには身体のコンディションについてしっかり学んでおくことが大事だ。病院に行く前に事前にしっかり自分の状況を研究しておいて医師に診てもらった適切な質問をしなさい」

 医療費が極めて高いアメリカならではの話だ。これが医療に無知な患者が無茶な要求を持ち出し始めたら医師も大変な事だろう。手厚く保険でカバーされてお金を払う実感がないままに要求だけがエスカレートする事を避けるためには「話のわかる患者」のための啓蒙・教育が必要になると思う。