Predictably Irrational on line

Dan Arielyによる行動経済学の本については以前に触れた。この著作を巡るウェブサイトが公開されている。また本書についてDanが語るビデオがitunesから公開されている。ビデオは本書の各章に対応していて、その第一章の部分を見た。Danがインタビュー形式で語るのだが彼の明瞭な英語を聞いていると本書の文章と非常に似た語り口。本を見ながらチェックした訳ではないのだが、まさか口述筆記で書かれたかと思われるほどに彼の口から発せられる一語一句が活字になっているように感じた。この人の頭はきわめてクリアで話す言葉が既に校正済みの文章の形で吐き出されるかのようだ。

本書は既に各国で出版されている。アジアでも台湾、韓国版が出ているのに日本版が出ていないとは何たることか?日本人の教養が問われるぞ!英語で呼んでいれば良いのですがね。

追記
 DANは今年度のイグ・ノーベル賞を受賞されたそうだ。祝!

http://www.predictablyirrational.com/?p=307&date=1

追記
受賞論文はこれー>http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/299/9/1016
 本書でも議論されている話題。鎮痛作用を与えるとした偽薬の値段を割引価格と通常価格で被験者に提供してその効果を比較したところ、通常の(高い)価格で提示された被験者の方が痛みに耐える効果が高かったとする報告。科学的にはきわめてまっとうだと思われる。
 イグノーベル賞はこのDanらの研究や、北大の中垣さんらが示した粘菌による迷路解読のように科学的に価値の高い研究から冗談としか思えないような研究まで玉石混交だ。