小山田大

 小山田大(こやまだ だい)というクライマーがいる。ボルダリングと呼ばれる、高さはない岩で技術的な難かしさに挑むクライミングの分野では現在ほかの追随を許さない実力者だ。ボルダリングは岩(もしくは人工壁)に設定されたルート(課題, Problemという)にトライして登れたらよし、とする単純明快な遊びだ。私がやっていたレベルでは易しい課題をできるだけ力を使わずに、優雅に登れるか、なんてことをやっていた。しかし難度があがってくるとそんなことは言ってはおれず何十回、何百回のトライの末に一回だけ登れるなんて言う課題はざらだ。私には一生登れないものばかりだが。課題を解決するには最適な身体の動きをパズルを解くように見つけ出す頭脳とセンス、その動きを実現させる肉体、そして墜落の恐怖心に耐えてもてる能力を120%発揮させる集中力が必要だ。

 このシンプルかつ奥の深い遊びを修行僧のごとくに極めようとしているのが大ちゃんと呼ばれているこの青年だ。彼の登りはコンペの会場やビデオで見るた。人間の肉体能力の新たな地平を見せてくれるような異次元の登りを見せてくれる。

 そんな彼がこの1月にテレビに出演した。「情熱大陸」。私も見ました。クライマーとしての彼の生き方を素直に描写していてとても好感のもてる演出だった。若い人、特にこれまでクライミングを知らなかった人の間に大きな反響があったらしい。これを機会にクライミングを覚え、クライマーという生き方を実践する若者が増えることを願っている。私もクライミングを通じて困難に立ち向かう前向きの姿勢と、最善の判断を下すためのリスクの計算の仕方、アクシデントに動じない姿勢、などを学びました。

 そして今度は天下のNHK小山田大を取り上げます。「トップランナー」4/24 PM 7より。これは見るしかない。

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