Doping. Guilty or not guilty?

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 うーん。エラスのEPOドーピング疑惑が確定してしまった。チームから即刻解雇、今年のブエルタ優勝タイトルも剥奪だ。スペイン最高のステージレーサーにして紳士的なイメージでプロロードレースを代表する選手だっただけに自転車レース界には計り知れないダメージだ。とても残念なことだ。
 
 残念なことの第一はエラスほどの大選手にドーピングの疑惑が持ち上がったことなのだがもっと残念なことは彼が本当にEPOを摂取したのかの証明にまだ核心がもてないからだ。エラス自身は否定しているし彼のチームも「エラスを信じながらも解雇する(プロツアーのルールだから)」といったスタンスだ。EPOの検査はまだ技術的な困難さが伴い、誤った結論につながりうる様々な問題点を抱えている。詳しい議論はCNによる記事に詳しい。ネタ元になったI?igo Mujika博士の手紙Pitfalls in the rEPO test, by Dr. I?igo Mujikaを読むと科学的に詳細な議論の元に疑問点が提示されている。現代のEPOのテストは科学的な批判に対してはまだもろいところがあると言わざるを得ない。
 なので選手が陽性と断定されるならば検査の生データが示されて誤りの余地のないことが第三者に客観的に判断される必要がある。現時点でそこまでのデータ開示がなされているのかは疑問で、法廷闘争になった時まで待たなくてはいけないのかもしれない。

 ドーピングは忌むべき行いで、フェアな戦いが前提のスポーツへの大衆の信頼を失わせる大問題だ。私自身はエラスを弁護することも糾弾する材料も持たない。ただ不確かな検査で性急な判断を下すことで選手の名声と、サポーターのスポーツへの夢を失うことがないように願いたい。