渡邉恒雄

 なんと読売の「ナベツネ」が日経に連載を始めた。「私の履歴書」が新聞人を取り上げるのも始めてで、ましてやその記念すべき第一号がよりによって(!)「ナベツネ」だとは・・・。しかしながら本日の記事「金権政治」では話が佳境に入ってきた。政治記者時代の渡邉氏が戦後の混乱期での政治家との関わり合いをかたっている。読売の社主だった正力松太郎自民党総裁の座をねらって政治家に金をばらまき、部下の新聞記者を使って情報集めと宣伝工作をさせる様子を語っている。金をばらまく方もひどいが受け取る方もひどい。そんな時代を経た渡邉氏が未だ君臨する新聞社が伝える政治家の言動や、新聞社の喧伝するプロパガンダの真意がどこにあるのか、心して新聞を読みなさいと言うのがこの連載のメッセージだろう。