カサブランカ

カサブランカ FRT-017 [DVD]

 BS2で後半から見た。この有名な作品は何度も見ていてストーリーもシーンも記憶しているのだが今回改めて見てみると全てのシーンとせりふが巧みに計算されていてしびれるほどに見事。偉大な脚本歴代ベスト101の第1位」、だそうなので当たり前と言えばそうなのだがこのせりふ(とその翻訳)の裏に秘められた意味を理解してその構成の見事さを理解するには年月が必要だった。

 映画の後で山本晋也と渡辺 俊雄の解説が入ったのだが指摘されてなるほどと思ったのは、

  • カサブランカバーグマン扮するイルザを巡る男二人の三角関係のメロドラマ
  • それでいてボガードのリックと警察署長との男の友情物語でもある。
  • リックとイルザの夫ラズロとの関係も微妙だがリックは潔く引く。
  • 三角関係の映画として撮影中だったのだが、監督はバーグマンに結末を最後まで教えなかった!(決めていなかったの?)なのでバーグマンはどちらの男とも距離を保って演じなくてはいけなかった。監督はこうやって役者を操るのか。
  • 制作は1942年。ナチスドイツの占領するフランスの戦意高揚を図った映画で大急ぎでつくられた。にもかかわらず奇跡のような傑作だ。名作は時間をかけてつくれば良いという物ではない。
  • 冷静にみればイルザは事情はあれども二股をかけて、そして困ったときには捨てた昔の男に助けを求める女である。ひどいよなー。しかし美人は許される。女性が涙する結末だったらこんなに支持されなかっただろう。

 うーん。得をした週末だった。