オシム教授への質問

オシム監督の記者会見でのやりとりが紹介されている。

オシムに、この質問をしたのは誰だ!: Supportista Blog

「肉でも魚でもない」などと試合を評したコメントが報じられているが、この記事ではどこの記者が発したどのような質問に対して監督の言葉が発されたかが紹介されていた。
詳しい質疑応答はこちら>スポーツナビ

前略・・・
質問者:東京スポーツ記者
 --前半、ペルーが元気だったとき、なかなか日本が前線にボールを出せない時間帯が続いたのはなぜだと思うか。
オシム「質問の中に答えが隠されている...。」

・・・中略・・・

質問者:田村修一氏(フリーランス
 --試合の中ではタメを作ったり、テンポを遅らせることも必要だと思うが、そうしたバランスについてはどう考えているのか。
オシム「ここはサッカー学校ではない...。」

質問者:講談社記者
 --自分たちの力を示したい選手がいたとおっしゃっていたが、そういうことを気をつけるように試合前に伝えなかったのか。
オシム「試合前に何か一言二言伝えたら、選手は変わるというのだろうか...。」

 あと略

 オシム監督の比喩と皮肉の混じった受け答えは有名だがそれを十分承知しているはずのサッカー専門の記者たちがことごとく返り討ちに逢っている。要するに自分の知識と意見を披瀝してオシムを挑発し反論を引き出そうという安っぽいたくらみには乗らない、という事だ。「教授」の風格ありと見た。この手強い監督の言動と性格を研究して最適の質問を発する事ができる記者は生き残り、能力の低い記者は淘汰されるだろう。

 試合後のあわただしいインタビューはゲームの深い分析を行う場ではないし、自分の言葉はすぐに尾ひれがついて流布される事を監督は十分承知しているのだろう。オシム監督は選手を指導するだけではなく、代表チームを取り巻く環境を改善するためにメディアとサポーターを批判することで健全な育成を計っているように思われる。監督一名に対して多数の記者が対するインタビューはそのような場としての役割だ。監督とサシで対談して彼の本音を引き出すインタビューを聞いてみたいものだ。