ロードレースの本

 昨夜は帰宅時に雨に降られてさんざんだった。しかし一夜明けてみるときれいな晴天。熊野の時に見たうまく走っている人は楽々下ハンドルを握って走っているのに、自分はなぜ化同じ姿勢が長い時間とれないでいた。腕が短いのかな?と思ったりしたのだが通勤途中にサドルの前端をわずかに下に傾けたらあら不思議、前傾姿勢が苦にならなくなってしまった。ポジション調整って微妙なものです。

 さて最近読んだ自転車ものの本について。

サクリファイス

サクリファイス

 先日貸してもらって一晩で読了。面白い。自転車ロードレースのチームで起こった事件をミステリー仕立てでまとめてある。謎解きはともかくもチームのエースとアシストの説明とか、レースシーンの描写は楽しめた。ヨーロッパのワンデイレースの画像を見てレースの展開の仕方を知ってから読むといっそう臨場感が増します。一般にロードレースに関する著作は実際に競技していた人が書いた作品が多い。アームストロングやレモンなどによる作品はどうしても視点が当事者のものに限られていてレースを取り巻く全体の雰囲気が伝わりにい。その点観客の立場からの視点を加味した本作品の描写の方はレースの流れを知るには有用だった。

 ただし作中にはロードレースの掟、プロ選手の人生設計、チーム内の葛藤、ドーピングなどの問題が作品の分量に比べて過剰に盛り込まれており、各部の記述は浅い。また作中の事件もちょっとあり得ない設定だ。作者にはもう少しスポーツとしてのロードレーシングにテーマを絞って再度書いてもらいたいと思う。
☆☆

フォト!フォト!フォト!―Cycling photographs in monochrome

フォト!フォト!フォト!―Cycling photographs in monochrome

ロードレースに興味を持ってはじめて購入した写真集。表紙に使われたパンターニのスキンヘッドが強烈な印象を与える一冊。手にすると本のサイズに比べてずっしり重い。上質の紙に印刷されたモノクロの写真の数々。良く読むとこのジロのレースで総合優勝の可能性を絶たれたエースのパンターニがチームメートの若手ガルゼッリに後を託すためにアシストとして先頭を引いているシーンだった。写真もいいが各所に挿入される砂田さんの文章は現場の臨場感を伝えつつ、彼のレース写真家としての履歴を語る自伝としても読めて味がある。永久保存版。

 「後ろを振り向きながらゴールするチッポリーニ」や「バイクを従えてTTで疾走するインデュライン」など砂田さんの名作がいっぱい。
☆☆☆

GIRO(ジロ)―イタリア一周自転車ロードレース写真集

GIRO(ジロ)―イタリア一周自転車ロードレース写真集

ジロ・ディ・イタリアの12年間をモノクロ写真で追った一冊。各所に挿入される砂田さんの文章が楽しい。
☆☆