大安

 昨日は結婚式と披露宴に参列させてもらった。結婚するために貯金をすると言っていた彼。結婚資金が貯まったので結婚します、とこのたびめでたく良き日を迎えた。若いカップルだが着実に生活設計をたてて、家族という大きな責任を互いに背負うことで人間は成長できるものだと思う。


 その席で意外な人に会った。娘が幼稚園で御世話になっていた担任の先生。新郎の同級生だったという。毎日手のかかる幼児の世話と、それに輪をかけて大変な父兄の相手を笑顔でこなしているので気づかなかったのだが彼女も若い。背負うものの大きさと、それに取り組む姿勢が年齢にかかわらず人を成長させるものだと思わされた。


 この他にも入籍の知らせを聞いた。ちょっと意外だったのは入籍をもって区切り、"tie the knot"、と考えている人が意外と多かったことだ。自分の時は人間の関係を書類、指輪、式典でつなぐことに抵抗を感じていたのでこだわりはなかった。婚姻届という契約書を交わす行為をもって人生の区切りをつけることに違和感を感じていたのだろう。私にとって男女関係がカップルから夫婦に変わったのは、生活と生計を共にすることからだ。そこで人間関係の化学反応が起きておもしろい面が発見できたりする。もちろんうまく発展することもあれば、表面的にはわからないことも見えてしまう。結婚がゴールインというのは大きな誤解で、ゴールのないマラソンのスタートラインに立ったということしかに過ぎない。これから懸命に、緊張感を絶やさずに走り続けるしかないのだ。