抵抗の構図

 郵政民営化に関して新聞、ブログを見回すと実に様々な意見がある。推進派の意見は大体一致している。この歳出超過の国家財政の構造を次世代が引き継ぐ前に政府の財務構造を痛みを伴っても改変しようと言うことだ。先日の日記で引用した通り*1

 反対の理由は主に二つに分けられる。第一は反対のための反対派。郵便局を解体もダメ、公務員減らしもダメ。ダメダメダーメ。債務超過についてはわからなーい。これでは議論の余地はない。

 第二の理由は妥協の産物である現法案が良くない。だからじっくり時間をかけて良いものを合意の上で作りましょう、という意見。参議院で否決された法案が当初の理念から逸脱していたのは事実だろう。しかし私は今どの点が不足だから受け入れ難いのかという指摘を的確にした論説を残念ながら目にしていない。政治とは妥協によって合意形成をはかり、問題解決の道筋をつける作業だ。その段階で誰もが100%満足はできないがしかし誰にもある程度は受け入れられる案に落ち着かせるところが落としどころになる。今回はまず改革への筋道をつけてその方向への第一歩を踏み出すことが一番の要点で、法案の不具合については走りながら治していけば良い。完璧な計画でないから受け入れられない、というのは揚げ足取りの時間稼ぎの常套手段になるおそれが多い。反対派の議員にも抵抗ではなく生産的な議論を展開してこの国をよりよい方向に向けてほしいと切に思う。

 抵抗・不服従は力を持たない弱者の消極的な意思表示の手段だが選挙で選ばれた議員は抵抗ではなく積極的な意見形成に参加する事が職務だと自覚してほしい。

*1:しかしこの記事は実によく引用されてます