バスツールのフラスコ


 研究所の博物館に展示されていました。自然発生説を否定する実験に使われたもの。この白鳥の首型のネックに水がたまって外部からのバクテリアの侵入を止めておけば滅菌した培地には菌が増殖しないとするもの。いまにして思えばこんな実験が本当にうまく行ったのか半信半疑なのだが科学の進歩には欠かせないワンステップだった。
 パスツール博物館には他にも彼の行った免疫学や細菌学の業績が解説されていた。特にニワトリに弱毒化された病原体を接種することで免疫反応を誘導できることを示した実験は卓越した洞察によるものだと感心。この話はホストのMB博士が直々に熱心に解説してくださった。やはりここは細菌学を誕生させ、今なお生物学の聖地であり続ける場所だと言うことだ。

 これも昔教科書で読んだことがある実験。パスツールが滅菌フラスコを短時間開封して混入するバクテリア数を推定する実験。結論はパリにくらべてアルプスの空気は清浄だということ。