写真の学校

「写真の学校」の教科書―基礎編

「写真の学校」の教科書―基礎編

 コンパクトデジカメをこの春からつかっている(3月26日の日記)。使い勝手、解像度、写真の出来、いずれも優れているのだがそれでもどうしても不満な点がある。絞りやシャッタースピードを思い通りに操れない、焦点をあわせにくい、そしてレンズが暗い、等々だ。そこで一眼レフに目がいくようになった。カメラの世界はわからないことだらけだが、この歳になって今更人には聞けないことを勉強しようとまずはこの購入した。絞りやシャッタースピードの話などやっとわかったことがいっぱいあったのだが、しかしこの本は期待はずれだった。
 なぜかというとカラー印刷で写真学校の生徒の作品と思われる写真がふんだんに使われている。しかしそれらの写真すべてについて撮影データがないのだ。どんなカメラとレンズで、撮影条件とフィルムの種類までどれにもデータがないのだ。ならばこれを見た人がその写真の世界を再現しようとしても不可能だ。よく読んでも写真を撮るのに撮影データを無視しろと述べているものはなく、あえて適当な写真を並べただけでデータについては無頓着としか言いようがない。

 結果の再現には正確な条件の提示が必要なことを著者にはいま一度理解してほしい。