ネットは社会を分断しない

 大規模なネットユーザー調査の分析よりネットの普及によって社会が分断されたとする説は支持されないと結論した。主な論拠は以下の通り。

  1. 社会の分断度は回答者の返答を数値化して右傾化、左傾化の判断指数とする。集団中での分散度が高いと分断が進み、中央値に収束すれば社会は均一化する、と定義した。
  2. 年代別の集計では若い世代ほど分断度が低い。ネットに慣れ親しんで育った世代の方が、新聞、TVからネットに移行した年上世代よりも中庸な考えを持つ傾向がある。
  3. 年長者でも一部の極度に分断化した人たちがいてそれらが分断度を広げているようだ。
  4. 男女別では男性はより分断傾向が高い。

分析も、結論も納得出来るものだった。BREXITはトランプ選出など国レベルでの選挙で有権者がとんでもない選択をすることが相次ぐ現代だ。ネットのリテラシーが高まり、有権者の世代交代が進む事でより中庸な安定した判断が進む事は望ましい。

(追記20200101) 人の考え方を右翼-左翼、保守-革新といった対立軸で捉えることは、限られた数の政党による政策コンテストである選挙制度での評価方法としては有効だ。しかし様々な階層での利益、倫理観が錯綜する現実社会を一次元の軸で捉えることは単純化が過ぎる。このビッグデータの時代、多次元の評価軸を扱う手法が必要とされるだ

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