散るぞ悲しき

散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道

散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道


 「硫黄島からの手紙」に言及していたCalmBambooさんの日記で紹介されていた。映画では不足していた栗原中将の人柄の説明や硫黄島での戦いでの詳細に興味を持ち旅行中に読み終わる。感銘深い一冊でした。勝ち目のない戦にかり出され2万の兵に最後の最後まで戦い抜くことを命じて先頭に立って戦死した司令官の生き方を残された資料を基に語っている。家族に送った手紙からは栗原の意外なほどのマイホームパパぶりが明らかなことだ。残念なのは彼が亡くなった最後の様子を知るものは一人も残っておらず詳細が不明なことだ。だから栗原中将が最後に大本営に送った決別電報が重みを増すのだ。戦争の是非とは別にして誇り高い人々が本土の家族のために命を捨てたことに敬意を払いたい。