父親と母親

 朝になって娘の元気がなく学校を休ませる。妻は所用が会ったので自分で病院に連れて行く。先日から診てもらっていた病院がちょっと離れたところにあるので休みを取って出かける事にした。病院では直接医師から診断と治療方針を聞いたが一週間程度で直るだろうという話に納得できた。やはり妻から又聞きで聞くよりもしっかりと判断ができる。

 うちのばあい、子供の体調が悪い時には特に父親と母親の接し方がまるで違う。母親にとっては子供は自分の分身そのもので、だからこそ子供の痛みを切実に感じて献身的に、時にはうるさいくらいに世話を焼くことになるようだ。深夜に授乳したり熱が出れば寝ずの番ができるのも子供は自分の肉体と一体化して居るからだろう。また子供に対しての母親からの干渉が多いのも母子の距離の近さの表れのようだ。一方父親の私は子供がいくらうなされていようが平気で寝ていることはできるし、子供が痛がったりしてもかわいそうだとは思うがそれまでで、所詮血を分けたとはいっても他人の身体だ。だからこそ距離を置いて別個の人格として接することができるのだろう。子供にとってはそれぞれの親との距離をはかりながら徐々に外の世界にでていくのだ。

 病院から戻ってから今度は残っていた役所での手続きもすませて来た。今日は一日休みにしたので子供と夕食をとることができた。